万葉集や古事記などにも登場する古代の官道。とくに岐阜県との境の神坂峠は最大の難所として知られ、旅人が道中の安全を祈った祭祀跡は国の史跡に指定されている。
三州街道、伊那街道とも呼ばれる。三河方面からは塩や海産物、信州方面からはタバコや串柿などが運ばれた。中山道の脇街道として賑わい、農民が数頭の馬を連れて荷を運ぶ中馬が盛んに行われた。
信州側からは静岡県の秋葉神社へ、静岡側からは諏訪大社や善光寺への参詣道として賑わった。中央構造線に沿って走る山間の道で、青崩峠や小川路峠など、現在でも国道が断絶している難所である。