霜月祭り 八重河内八幡
南信州の南端、飯田市遠山郷が誇る奇祭「霜月祭り」に参加してきました。長野県内でも比較的温暖な地域とはいえ、冬の寒さは厳しく、焚き火がありがたい一日でした。霜月祭りは諏訪社、熊野社、八幡社など、神社の系列を問わず行われています。今回はその中でも、八重河内八幡神社での霜月祭りを取材しました。その一部始終をお届けします。
霜月祭りとは
霜月祭り(しもつきまつり)は、長野県飯田市遠山郷で毎年12月に行われる伝統的な神事です。古くから地域に伝わる「湯立神楽」を中心に、神楽殿で湯を沸かし、その湯気を通じて神々を招き、五穀豊穣や家内安全を祈願します。
祭りの最大の特徴は、面を着けて神々に扮した人々が舞う幻想的な光景です。これらの舞は神々と人々を結ぶ重要な役割を果たし、訪れる人々に深い感動を与えます。また、湯の飛沫を浴びることで無病息災を願う風習もあり、毎年多くの参拝者が訪れます。
この祭りは国の重要無形民俗文化財にも指定されており、地域の伝統文化を未来に伝える大切な行事として受け継がれています。
スケジュール
- 12:00 古典祭開始
- 12:00 湯の式
- 12:30 ふみならしの舞
- 13:00 湯開き
- 13:30 一の湯
- 14:10 下堂祓い
- 14:50 祝儀の舞
- 15:40 鎮めの湯
- 17:00 子どもの舞
- 18:30 古典祭
- 面迎え
- やおとめ
- 火伏
- 湯切り
- 面
- カラス天狗
- 面
- じいさばあさのお伊勢参り
- 猿舞
- 神返し
- かすの舞
- ひいな降ろし
- 金ずるの舞
- 釜返し
- 21:30 万歳三唱(祭り終了)
祝儀の舞[祝儀の舞]
祝儀の舞では、燃え盛る炎の上に置かれた釜で湯が煮え立つ中、右手に鈴、左手に刀を持った4人の男性が舞います。湯気と炎に包まれた神秘的な光景が印象的でした。
子どもの舞
次に子どもたちによる舞が行われました。祝儀の舞と似た演目ですが、女子も参加可能とのことで、子どもたちが1か月間、週1回の練習を重ねて本番を迎えたそうです。その完成度の高さに感心しました。
霜月祭りのクライマックスは古典祭です。面を着けた神々が登場し、様々な神事が行われます。中でも湯切りは祭りの代名詞ともいえる象徴的な儀式で、湯の飛沫を浴びることで無病息災を願います。今回はカメラマンの配慮もあり、湯はあまり飛びませんでしたが、その迫力は十分に伝わってきました。
続いて行われるのが面の神事です。41種類の面が登場し、それぞれの神様に扮した人々が湯釜の周りを回ります。面を着けることで神が憑依するとされ、その神聖な雰囲気に圧倒されました。
さらに、カラス天狗が会場を飛び回る激しい演目が続きます。参加者がしっかり受け止めなければ危険なほどの勢いで動き回り、観客を沸かせました。
その後、じいさとばあさが登場する「お伊勢参り」が行われます。ばあさが笹を束ねたもので参拝者の頭を叩き、湯をかけるという大胆な神事で、会場は笑いと歓声に包まれました。
日本でも有数の奇祭
霜月祭りは他では類を見ない独特の祭りで、世界的に評価されています。有名映画監督が作品の参考にしたという逸話もあります。開催は毎年12月15日。来年もぜひ参拝したいと思います。
今回お邪魔した神社
八重河内・尾野島正八幡神社[八重河内]
住所: 〒399-1312 長野県飯田市南信濃八重河内251-1(南信濃野島)
問い合わせ先
遠山郷観光協会
住所: 〒399-1312 長野県飯田市南信濃和田548-1
TEL: 0260-34-1071
WEB: info@tohyamago.com